☆相続用語解説☆

[配偶者] (夫から見て)妻、(妻から見て)夫
[直系尊属] 父母、祖父母、ひいじいさん・ひいばあさん…
[直系卑属] 子、孫、ひ孫…
[被相続人] 相続される人、つまり亡くなった人

[法定相続人と順位](民法887条以下)

 配偶者は下記順位の人と共に常に相続人となります。(たとえ長年別居していても同じです。逆に、内縁の配偶者には、どれだけ長期に同居していようと、相続権がありません。)
第1順位子(養子を含む)。子が死亡の場合、その子(つまり孫)がいればそれを受け継ぐ(代襲)
第2順位直系尊属(養父母を含む)。親と祖父母では親(親等の近い方)が優先
第3順位兄弟姉妹。死亡の場合、その子(つまり甥・姪)がいればそれを受け継ぐ(一代限り代襲)
 第1順位の人がいれば、第2・第3順位の人は相続人となりません。第2順位の人がいれば、第3順位の人は相続人となりません。
 先順位の人が相続放棄をした場合、次順位の人が繰り上がって相続人となります。

[法定相続分](民法900条)
相続人相続分
配偶者のみ全部
配偶者と子配偶者2分の1  子2分の1
配偶者と直系尊属配偶者3分の2  直系尊属3分の1
配偶者と兄弟姉妹配偶者4分の3  兄弟姉妹4分の1
(注)上記はあくまで法定相続分であり、相続人全員が合意すれば異なる分け方をしても差し支えありません。

[単純承認](民法920条以下)
 亡くなった人(被相続人)の権利・義務をそのまま受け継ぐこと。つまり借金があればそれも引き継がなくてはなりません。相続人が相続開始を知った日から3ヶ月以内に放棄も限定承認をしなかった時や、相続財産を勝手に処分した時は、単純承認をしたものとみなされます。

[限定承認](民法922条以下)
 プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかわからない場合は、プラス財産の範囲内で遺産を引き継ぐことができます。3ヶ月以内に財産目録をつくり、相続人全員が共同で家庭裁判所に申述書を提出します。相続放棄をした人がいる場合、残りの相続人が共同でできます。

[相続放棄](民法938条以下)
 プラスの財産よりマイナスの財産(借金)が多い場合、相続放棄をすれば引き継がなくてすみます。各相続人が個別にできます。相続開始を知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所にその旨を申述します。相続放棄をすると、その人は最初から相続人でなかったものとして扱われます。

※いったん承認や放棄をしてしまうと、たとえ3ヶ月以内でも取り消しできません(919条)。慎重に!

[相続欠格](民法891条)
 被相続人などを殺し(未遂を含む)たため刑に処せられた者、詐欺・脅迫によって遺言をさせたり変更させた者、遺言書を偽造・破棄・隠匿した者は、自動的に相続人から除外されます。

[廃除](民法892条以下)
 「あいつには遺産をやりたくない」という場合、被相続人の意思で相続権を奪う制度です。遺留分をもつ推定相続人(相続人になる予定の人)が被相続人に対し虐待や侮蔑をした時や、推定相続人に著しい非行がある場合、家庭裁判所に廃除を請求できます。廃除は遺言で示すこともできます。
 (注:「排除」ではない)

[遺留分](民法1028条以下)
 相続人に最低限保証されている権利です。例えば、ある人が「全財産を○○(他人)に譲る」と遺言した場合、その配偶者や子どもは本来なら遺産がもらえるはずなのに、1円ももらえないことになってしまいます。これではかわいそうだ、ということで、財産の2分の1(直系尊属のみが相続人である時は3分の1)が遺留分として相続人に残されます。
相続人のうち、兄弟姉妹には遺留分がありません。

 遺留分を侵害された場合は1年以内なら取り戻すことができます(遺留分減殺請求)。 遺留分減殺請求は、請求した事実と日付を明らかにするため、内容証明郵便で行います。

[特別受益](民法903条)
 複数の相続人の間で公平を図る制度です。一部の相続人が被相続人の生前に財産をもらっていた場合、その額を考慮して分配します。
(例) 相続人が兄弟4人、相続財産2000万円の場合
 Aは大学の学費に400万円、Bはマイホーム購入援助に300万円、Cは結婚資金に100万円を既にもらっていた。Dは何ももらっていない。こんな時、単純に500万円ずつ分けたのでは不公平。
 そこで、2000+400+300+100=2800万円を相続財産とみなし、各人700万円を取り分とする。A、B、Cが事前にもらった分(特別受益分)は引き算する。つまり相続分は、A300万、B400万、C600万、D700万となる。

[寄与分](民法904条の2)
 これも相続人の間で公平を図る制度です。一部の相続人が、被相続人の仕事を長く手伝ったりりして、財産の維持や増加に寄与した場合、その働きを寄与分として考慮します。
(例) 相続人が兄弟4人、相続財産2000万円の場合
 Aは実家の商売を手伝い、500万円分の寄与をした。Bは親の療養看護に尽くし、300万円分の寄与をした。CとDは特に何もしていない。こんな時、単純に500万円ずつ分けたのでは不公平。
 そこで、2000−500−300=1200万円を相続財産とみなし、各人300万円を取り分とする。A、Bが働いた分(寄与分)は足し算する。つまり相続分は、A800万、B600万、C300万、D300万となる。

相続税へ  →遺言書の書き方へ  →相続・遺言へ

※参考

  • 家庭裁判所田辺支部…電話0739-22-2801
  • 家庭裁判所御坊支部…電話0738-22-0006
  • 家庭裁判所新宮支部…電話0735-22-2007