| ☆子どものいない夫婦は遺言を☆
例1 まずは、以下の記事をお読み下さい。(朝日新聞2002年8月27日付 投書欄、太字は佐々木)
| 今の相続制度 悲劇招く恐れ 行政書士 秋山由美子(愛媛県新居浜市 51歳)
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法律が人間関係における争いを収めてくれる場合もある。しかし、苦しめる存在にもなることには理不尽さを感じる。
民法では、被相続人に子どもがいない場合、配偶者と尊属、尊属がいない場合は配偶者と兄弟姉妹、兄弟姉妹がない場合はその子どもたちが相続人となる。最後のケースなど、遺言書もないまま残された老妻には多くの場合、悲劇である。
それまで、夫婦で築いた家屋敷を相続するにも、交流の途絶えていた夫のおいやめいの住所を捜して訪ね、同意をもらうほかないのだ。
そもそも、会ったことさえない人たちの同意を得なければならない法律の意図は何だろう。子どももなく、近い将来、家屋敷を売ったお金で、老人施設に入るほかない老妻が、相続人の権利主張に頭を抱える様を見るのは何とも忍びない。
核家族が普通になって久しい。実情に合わなくなった相続制度は速やかに是正されることが必要だろう。 それまでの方法として、特に子どものいない夫婦に声を大にして言いたい。「遺言は愛です。配偶者にぜひ遺言のラブレターを」 |
例2(毎日新聞2003年1月20日付 投書欄)
| 遺族困らぬよう遺言状つくろう 銀行員 匿名(北九州市門司区 40歳)
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| 最近、勤め先の銀行窓口で、1日に何件もの相続相談を受ける。預金の金額にかかわらず「亡くなった」と聞くと、相続の手続きをとっていただかざるを得ない。
中でも厄介なのが子供がいない時である。「主人が亡くなった」と来店された奥さまが高齢であり、「子供はいない」と言われた。そこで「奥さまのほか、ご主人の兄弟姉妹、その方が亡くなっていれば、おい・めいにも相続権があります」と話した時の奥さまの困惑の表情は、何度受け付けても慣れるものではない。
「長い間、付き合いがない」と打ち明けられても、「申し訳ございませんが」というしかない。銀行としては相続人全員の印鑑証明と直筆が必要だ。相続手続きは1回で完了しない。何度も足を運んでもらう面倒な手続きだ。
そこで、配偶者だけに相続をさせたい人には遺言作りを勧めたい。分かりやすい本もあるし、銀行に相談されてもよい。夫婦で検討されてはと思う。 |
少し解説してみましょう。子どものいない夫婦の場合、遺言書があるのとないのとでは、大変な違いが起きます。
相続財産は、分割の手続きがすむまでは全相続人の共有財産となります。例2にあるように、たとえ夫婦であっても、勝手に処分(売ったり貸したり、預金をおろしたり…)はできません。
公証人さんが教えてくれたケースでは、預金をおろすのに、なんと39人のハンコが必要だったそうです。
そこで、子のいない夫婦で夫が死亡したと仮定します。この場合、誰が相続人になるのでしょうか。 当然、妻はいつでも相続人です。
ケース1| 夫の親が生存 | 妻(3分の2)と夫の親(計3分の1)が相続します。
| | ケース2 | 夫の親が既に死亡し、夫の兄弟姉妹がいる | 妻(4分の3)と夫の兄弟姉妹(計4分の1)が相続します。
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| ケース3 | 夫の親も夫の兄弟姉妹も全員が既に死亡し、夫の兄弟姉妹の子(おい・めい)がいる | 妻が4分の3を相続します。 [ケース2]で夫の兄弟姉妹が受け取るはずだった4分の1は、おい・めいに受け継がれます。(これを「代襲相続」といいます) |
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遺言がないと……
秋山行政書士が「最後のケース」と指摘しているのは[ケース3]です。 自分の甥(おい)や姪(めい)ならともかく、夫の甥や姪となると、面識すらないという場合だってあります。面識があっても近くに住んでいるとは限りません。兄弟が多ければ相続人の数は十数人にもなってきます。
それを1軒1軒訪ねて事情を説明し、全員から「亡○○○○の私に対する相続分を放棄します」という書類に印鑑を押してもらわない限り、財産の処分ができないことになっています。 たとえ夫婦2人だけで築き上げた財産であっても同じです。 素直に放棄してくれれば、まだいいですが、「権利があるなら、もらわな損損」と、遺産の取り分を求められる場合もありましょう。そうなると、土地や家を売ることはおろか、銀行預金をおろすことすら、単独ではできなくなります。(例2)
遺言があれば……
そのような事態を予防するのが「遺言」です。
[ケース2][ケース3]で、「全財産を妻○○に譲る」という遺言さえあれば、遺産の4分の1を渡す必要はなくなり、全額を相続できます。 兄弟姉妹には「遺留分(いりゅうぶん)」がないからです。 住宅や土地、預貯金など、夫の遺産は妻の単独所有になりますので、当然、上のような面倒な法的手続きも不要です。
遺言書の書き方は、法律で決められた一定の注意事項さえ守れば、難しくありません。→遺言書の書き方へ 残された妻(夫)に安心できる老後の生活をプレゼントするため、ぜひ元気なうちに遺言を残しましょう!
遺言書の作成・相談は、行政書士がお手伝いします。
☆預金の相続取り扱い☆ (各金融機関のパンフレットより)
通帳・証書の他に、以下の書類が必要です。
[郵便局]
- 名義書換請求書
- 相続確認表 ←続柄を図示したもの
- 戸籍(除籍)謄本 ←預金者の死亡の事実および法定相続人の相続関係確認のため
- 同意書 ←預金を相続する人以外の相続人全員の記名押印が必要
(遺産分割協議書、遺言書、家裁の調停・審判謄本で代用できる場合あり)
- 手続きをする人の運転免許証など ←本人確認のため
[紀陽銀行]
- 相続手続依頼書 ←各相続人が記名し実印を押す
- 被相続人の戸籍謄本(除籍者の記載のあるもの)
- 相続人たる除籍者が死亡し、又は相続権を喪失しているときはその戸籍謄本
- 各相続人の印鑑証明書
[きのくに信金]
- 被相続人の戸籍謄本または除籍謄本
- 相続人の戸籍謄本(相続人が確認できるもの)
- 相続人全員の印鑑証明書
- 遺産分割協議書 ←作成されている時
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