☆離 婚☆

離婚の方法には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚があります。
協議離婚 協議離婚は、お互いが「別れよう」と合意さえすれば、特別な理由は必要ありません。離婚届を提出するだけです。
 未成年の子どもがいる場合は、どちらが親権者になるのかを決めないと、離婚届は受理されません。

 子の養育費、財産分与、慰謝料、子どもとの面接交渉は、決めていなくても離婚は成立します。とはいえ、後々のことを考えると、きちんと決めて合意事項を文書化しておくことが重要です。

財産分与は2年以内、慰謝料は3年以内です。

 早く別れたい一心で、不利な条件でハンコを押さないように。

調停離婚 相手が協議離婚に応じない(離婚届に判を押してくれない)場合は、調停離婚を家庭裁判所に申し立てます。特別な理由は必要ありません。第三者(調停委員、裁判官)をまじえて非公開で話し合います。
 申立書は家庭裁判所にあります。費用は印紙代1200円+切手代+戸籍謄本取得費など低額ですみます。

 親権をどちらにするか、子の養育費、慰謝料、財産分与などで折り合いがつかない場合にも、調停を利用できます。
 調停がまとまり調停調書が作成される(上の条件が決定される)と、裁判の判決と同じ効力をもちます。

 つまり、相手が約束を守らなければ(例:月々の養育費を払わない)、内容証明郵便などで支払いを求めたり、裁判所から支払い勧告をしてもらったり、なお応じなければ強制執行もできます。
 この効果を利用するため、調停を活用することもできます。

 例えば、妻が思い切って調停を起こすと、それまで強気・横暴だった夫が急に態度を軟化させることもあります。
 誰でも「裁判所」と名のつく所に呼び出され、正当な理由もなく出頭を拒否すれば、制裁(過料)が待っているのですから、気持ちのいいものではありませんね。
裁判離婚 調停でも合意できなければ、最後は裁判離婚となります。
(審判離婚という制度もありますが、あまり利用されていないようです)
 ただし、調停前置主義といって、裁判を起こす前に家庭裁判所に調停を申し立てるのが原則です。(なお、2004年4月以降、離婚裁判も家裁が扱います。)

 裁判離婚は、離婚原因があるのに相手が合意しない場合、裁判所の判決を得て、強制的に離婚することです。民法770条は離婚原因として次の5つの場合をあげています。

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  5. その他、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

「不受理申し出」

 自分は別れたくないのに、相手が勝手に離婚届を出すかもしれない…という時は、市町村役場に「不受理申し出」をすることができます。
 「もしこういう届けが出されても受けつけないで下さい」というものです。1回出すと6ヶ月間有効です。


☆離婚とお金☆

 離婚に伴うお金としては、子どもの養育費、財産分与、慰謝料があります。
 これらは後回しにせず、離婚と同時に解決しておくべきでしょう。

養育費

 夫婦は別れれば他人ですが、親子関係は切れません。子どもを引き取らなかった側は、引き取った側に養育費を払う義務があります。
 引き取った側は、例えば「この子が20歳になるまで、毎月3万円を○○銀行口座番号○○○番に振り込んで下さい」と請求できます。
 月々の支払いでなく、一時金(一括払い)にすることもあります。
 養育費を確実に払ってもらうには、「AはBに養育費として毎月○万円を支払う」との公正証書を作っておくと、いざという時、給与差し押さえ(給料の約2分の1)などが可能になります。

 この他、前述のように、調停を利用し裁判所の力を借りて養育費を確実に受け取る方法もあります。

 「養育費を一切請求しないなら、別れてやる」などと、不当な条件を泣く泣くのまされる場合がありますが、本来、養育費を受け取るのは子ども自身の権利です。親が勝手に放棄することはできません。
 民法881条は「扶養を受ける権利は、これを処分することができない」と定めています。

 泣き寝入りせず、堂々と権利を行使しましょう。  

財産分与

 財産分与は、それまで夫婦の協力でつくられた財産を公平に分配(清算)することです。婚姻中に貯まった貯金、婚姻中に買った家などが代表例です。

 分与の対象となるのは婚姻中につくられた財産です。貯金や家など、たとえ夫名義であっても、実態は夫婦の協力で形成された財産ですから、妻が分け前を請求できます。その割合は、共働きか専業主婦かなど、財産形成の寄与度によります。専業主婦でも3割程度認められます。

 責任の有無は関係ありませんので、たとえ婚姻を破綻に導いた責任のある方(有責配偶者)からも請求できます。2年以内に請求が必要です。

 結婚前から持っていた財産や、相続で得た財産は「特有財産」と呼ばれ、分与の対象外です。

慰謝料

 慰謝料は、被害者の受けた精神的苦痛をお金の支払いで和らげようとするものです。
 離婚について責任のある側が支払います。
 例えば夫の浮気の場合、妻は浮気をした夫に対して慰謝料を要求できます。(これとは別に、浮気相手の女性にも慰謝料を要求できます。)

 夫婦の双方に原因(責任)がある場合、慰謝料ゼロの場合もあります。

離婚と戸籍

 夫婦別姓がいまだに実現しないこともあり、結婚に際しては、女性が姓を改めている場合がほとんどです。この場合、戸籍の筆頭者は夫になっています。
 離婚する場合、妻は親元の戸籍に戻るか、自分で独立した新戸籍を作るかを選べます。(子どもがいる場合は後者でしょう。)

 ところが、子どもが幼少の場合など、母が親権者になることが多いのですが、そのままでは子どもの戸籍は夫の戸籍に残ったままです。
 母と子が同じ戸籍に入るためには、手続きが必要です。まず家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て、次に、子どもを父の戸籍から、元妻の戸籍に入れ直します。


※参考

  • 家庭裁判所田辺支部…電話0739-22-2801
  • 家庭裁判所御坊支部…電話0738-22-0006
  • 家庭裁判所新宮支部…電話0735-22-2007